新大陸発見、アルマダの海戦やトラファルガーの海戦など、航海とスペインの歴史は常に深い関わりがある。
マドリードのシベーレス宮殿に隣接するマドリード海軍博物館は、まだ日本人観光客にはさほど知名度がないものの、歴史好き、特に新大陸発見に始まる大航海時代のスペイン史に興味がある人にとっては、見逃せない博物館のひとつだ。

大航海時代からのスペイン海軍の歴史をたどる

1792年、カルロス4世の海軍長官アントニオ・バルデス・イ・フェルナンデス・バラサンの主導により、海軍博物館が創立された。
現在、主にスペイン王家や王立海軍など寄贈された642点の海軍船などの模型、553点の制服、1376点の絵画とスタンプ、1067点の武器、1101点のコインとメダルなどの膨大なコレクションを所有し、大航海時代や海軍史、帆船模型好きは勿論、そうでない人にも興味深い、充実した展示を行っている。

軍の施設であるため、博物館のウェブサイトによれば、入場時にパスポートなどの身分証を持参することを義務付けている。必ずしもチェックされるわけではないようだが、念のため忘れずに持参しよう。
パセオ・デ・プラドに面した入り口で手荷物検査を受けた後、受付とショップ、博物館入り口のあるひとつ上のフロアに上がろう。ちなみに、基本的には入場無料となっているが、施設への寄付として3ユーロを支払うことになっている。

博物館は、25のサロンで構成されており、主に各時代別のコレクションをサロンごとに展示してあるので、1番の展示サロンから数字順に展示を楽しもう。

マドリード海軍博物館

マドリード海軍博物館

マドリード海軍博物館




新大陸を示した現存する最古の世界地図

大航海時代の帆船模型や羅針盤など、非常に興味深い展示が多いが、中でも注目すべき展示のひとつと言われているのが、サロン13に展示されている、現存する地図のなかでアメリカ大陸が描かれたヨーロッパで最古の地図と言われている「フアン・デ・ラ・コサ地図」だ。
15世紀末までにはカスティージャ、ポルトガル、英国などから派遣された人員により、アメリカ大陸が世界地図上に描かれるようになったが、唯一「フアン・デ・ラ・コサ地図」のみが、現在まで残されている。

この地図は、1492年から1500年の間に、当時の宮廷内の有力貴族が、カトリック両王のために描かせたといわれており、羊皮紙の上に新たに発見されたアメリカ大陸などの「新世界」と、ヨーロッパやアフリカなどの「旧世界」の両方が描かれている。

マドリード海軍博物館、新大陸最古の地図

Museo Naval de Madrid マドリード海軍博物館

住所:Pseo del Prado
web
最寄駅:Metro Banco de España
開館時間:火-日 10:00 – 19:00
8月は10:00 – 15:00
休館日:月、祝日、12月24,15日、1月1,6日