スペインのクリスマスは長い。
12月24日のノチェブエナ(クリスマス・イブ)から始まって、ノチェビアハ(大晦日)、アニョ・ヌエボ(新年)を挟んで、1月6日のロス・レジェス(三賢王)まで、つまりイエス・キリストの誕生の夜から、三賢王(東方三博士)が贈り物をもって幼子イエスの元にやってくるまでがクリスマスシーズンだと考えられているのだ。
(ということで、12月25日を過ぎてもクリスマス・イルミネーションなどが飾られているのは、決して片付けをサボっているわけではない。)

通常は定休日のないレストランや施設ですらも、このときばかりは特別な営業時間・開館時間を採用しているところも多いので、年末年始にマドリード滞在を考える旅行者の方々は注意が必要だ。

ただし、クリスマスから年末年始にかけては、休館日などで見られない場所も多い一方で、クリスマス・イルミネーションや期間限定のイルミネーション鑑賞周遊バス、教会のベレン、マジョール広場のクリスマス・マーケットなど、この時期ならではの見どころも多い。

ということで、これまでリクエストも多かった年末年始のマドリードの状況について、日付別に注意事項と主な観光スポットのオープン状況をまとめてみた。クリスマス・年末年始期間中の観光スポットのスケジュールを把握して、一年中で最も祝祭が集中した時期のマドリードを楽しんで欲しい。

12月24日の夜からクリスマス本格スタート

午前中は比較的通常通りだが、午後は早じまいするところが多い。
夜はタクシーも少なくなり、メトロも通常より早めに終電を迎える。
フラメンコのショーも、この夜だけは開催されないので注意が必要だ。
ごくごく一部のレストランでクリスマス・イブ用の特別メニューの夕食が用意されているが、ホテルまでの帰りの足などを考えると、特別メニューのあるホテルに宿を取るのでなければ、通常より早めに夕食をとり、後はクリスマスイルミネーションなどを楽しむ程度にとどめておくのがよさそう。

( → 「マドリードのクリスマス・イルミネーション情報」)

  • サンミゲル市場:10-19時で営業
  • マジョール広場のクリスマスマーケット:11-15時
  • プラド美術館:10-14時
  • レイナソフィア芸術センター:閉館
  • 王宮:10-14時

12月25日クリスマス当日。午前中は要注意

営業しないところが多い。特に午前中は店舗や施設などはほとんど閉まっていると考えて良い。施設などは閉まっているところも多いので、広場や公園、町並みを楽しむなど、散策にあてるのが良いだろう。

  • サンミゲル市場:12-24時で営業
  • マジョール広場のクリスマスマーケット:営業なし
  • プラド美術館、レイナソフィア芸術センターは終日閉館
  • 王宮:閉館




12月31日の夜から明け方までのフィエスタ

午前中は通常通りだが、夜にソル広場でカウントダウンが行われる。
夕方から深夜までは、ソル駅での乗り降りはできない。セントロはもの凄い人出で、朝方まで大騒ぎするので、ソル付近の宿の宿泊は避けるほうが良いかもしれない。( → 「マドリードのどこに泊まる?目的別マドリードの宿泊エリア」)
ソルでカウントダウンを体験する場合は、入場制限があるので数時間前から広場に入って待機する必要がある。12粒の葡萄を忘れずに。

レストランやタブラオなどは、大晦日の特別メニューでカウントダウンを祝えるところは多い。ただし上記の理由でソル付近はほとんど近寄れないので、交通には注意が必要。メトロなどは通常よりも遅くまで特別運行している。

  • サンミゲル市場:10-19時
  • マジョール広場のクリスマスマーケット 11-15時
  • プラド美術館:10-14時
  • レイナソフィア芸術センター:閉館
  • 王宮:10-14時

1月1日元旦のマドリード

午前中は閉まっているところが多い。最近の傾向では、セントロのバルなどは午後になると営業しているところもちらほらあるので、食事する場所に困ることはない。
ちないにスペインには三が日の習慣はないので、二日からは通常通りだ。

  • サンミゲル市場は12-24時で営業
  • マジョール広場のクリスマスマーケット営業なし
  • プラド美術館、レイナソフィア芸術センター:閉館
  • 王宮:閉館

1月5日の夜はレジェスのパレード

基本的には通常通りだが、夜にレジェスのパレードが行われる。カスティジャーナ通りやレコルテス通りからシベーレス広場までのパレードの最中は、キャンディがばらまかれるので、袋などを持って行くと良い。シベーレス広場では、王様たちが到着するまでの間もライブなどが行われる。
詳細は、「1月5日の夜に三賢王がプレゼントをもってやってくる!レジェスのパレード」を参照して欲しい。

  • マジョール広場のクリスマスマーケット最終日 11-21時まで

1月6日、長いクリスマスシーズンの終わり

バルなどの営業は、通常の祝日程度と考えて良いだろう。この日は、レジェス(王様たち)からのクリスマスプレゼントを開けて、ロスコン・デ・レジェスという菓子パンを食べてクリスマスシーズンを締めくくるのがスペインの伝統だ。一人分に切り分けたものを出してくれるカフェテリアもあるので、ぜひ試してみよう。
また例年、翌日から本格的に冬のセールがスタートする。

  • プラド美術館 10-14時
  • レイナソフィア芸術センター 閉館
  • 王宮:閉館

以上がクリスマスから年末年始にかけてのマドリード滞在の注意ポイントだが、やはり12月25日と1月1日は主要観光施設はクローズが多い。外観観光や街の散策、あるいは移動日にあてるなど工夫して、ぜひこの時期ならではのマドリードを楽しんでいただければと思う。