以前、このTodo Madridの記事「EL CALDEROのムルシア地方グルメを徹底レポート」で紹介したレストランEl CALDEROでは、「ムルシアの味をそのままマドリードで!」をコンセプトに、材料の9割はムルシア産のものを利用しているそうで、そのため毎週マドリードからムルシアへ、ワゴン車で買出しに出向いている。

今回、このEL CALDEROさんのご好意で、ムルシアの各生産者を案内してもらえる機会があったので、ぜひ紹介したい。
日本語のムルシア情報は非常に少ないので、多少なりとも参考になればと幸いだ。

そもそもムルシア州って?

ムルシア州は、イベリア半島の南東部、アンダルシア州とカスティーリャ=ラ・マンチャ州、バレンシア州に隣接し、地中海に面している。
この地域は、「ウエルタ(野菜畑、果樹園)」とも呼ばれるように、温暖な地中海性気候を利用して果物や野菜の栽培がさかんで、スペイン国内はもとより欧州諸国への輸出もさかんだ。
またスペイン最大の天然湖で、欧州最大の海水湖マール・メノールがあり、地中海とは長さ22km、幅100mから1200mの砂州で区切られているこの天然の地形がもたらしてくれる海産物も名産のひとつだ。

マドリードのEl Calderoが毎週魚介を購入するパロス岬の魚屋さん




ムルシアへの交通アクセスは?

問題は交通アクセスだが、残念ながらアクセスが良いとは言いがたい。このマドリードからは、自動車が最も便利な方法で470Km(所要時間4時間30分)ほど。アリカンテ空港からは127Km(所要1時間23分)なので、欧州路線などからアリカンテへ直接乗り入れるのも手かもしれない。
どちらにせよ、ムルシア内の移動を考えても、自動車は必要不可欠そうだ。

ムルシアへのアクセス




パロス岬と地中海グルメ

まずはマール・メノールの付け根から飛び出したパロス岬へと向かう。
地中海という穏やかな海のイメージだが、岬は思ったよりも風が強く、波もある。

16世紀のフェリペ2世時代に対海賊用の監視塔が作られた。この岬に灯台が作られたのは1865年で、高さ50メートル、海面からの高さは80メートルある。

今回の旅仲間 Blogtrip参加のブロガーさんたち

このパロス岬の名物はなんといっても、カルデロ・デル・マール・メノールと呼ばれるこの漁港で水揚げされた新鮮な魚介を使った米料理だ。
私達が立ち寄ったのは、マドリードのEl Calderoのオーナーがこの地域一番とすすめるCalaFlores。

ぱっと見は変哲のない大衆的なレストランのカラフローレス。見た目を裏切らず、地元のお母さんの味を楽しませてくれる。料理人さんたちもサービス精神旺盛、愛嬌たっぷりだ。

El Calderoの料理でも思ったが、ムルシア料理は塩味が控えめで魚介の出汁をダイレクトに楽しませてくれるマイルドな味付けで、日本人好みだ。自慢の米料理カルデーロに舌鼓を打つ。
別皿でサーブされる魚の煮込みを米に乗せていただこう。

ムルシアの米料理カルデロのスープのベースになってるのは、パプリカの一種ニョラ。乾燥ニョラが色と香り付けに使われる。

Restaurante CalaFlores

Calle Cala Cerrada 1, 30370 Cabo de Palos,
+34 968 56 36 82