少し前のことだが、一緒に出かけたある友人が、「タクシーよりCabifyの方が断然安い!もう普通のタクシーは乗れない」とスマホのアプリから車の手配を始めた。確かに利用方法を聞いてみると、便利な面も多く、特にスペイン語や土地勘のない観光客には使い勝手の良いタクシーの代替サービスになるかもしれないと感じた。
今回は、このCabifyについて、サービスの概要や使ってみた感想を踏まえて、そのメリット・デメリットなどを紹介してみようと思う。
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Cabifyとは?
Cabifyとは、 車を持っている人と車に乗せてもらいたい人をインターネットを介して結びつけるサービスで、公式アプリなどから判断すると、正しい日本語の読み方はキャビファイ、ただし、スペイン語ではカビファイと呼ぶ人が多いようだ。ここでは、そのままCabifyと記載する。
Cabifyのサービスに似たサービスとしては、Uberがある。同じくアプリでドライバーと乗客をマッチングさせるサービスで、決済までアプリで行えるのもCabifyと同じだが、Cabifyが既存のタクシーやUberなどと異なるのは、配車時にアプリで出発ポイントと目的ポイントを決めた時点で基本的な料金が確定する点だ。つまり、アプリで指定した出発地・目的地間から算出された料金は、実際の道の混雑具合やドライバーの選んだルートによって変化がないので、土地勘のない人でも安心して利用することができる。
また、車があれば誰でもドライバーとして登録できるというわけでもなく、運転手それなりに厳しい審査があるそうで、勿論、自治体などから許可を取った合法的なサービスだ。プロフェショナルなタクシー運転手レベルとは言わないが、これまで何度か利用した範囲では、充分に安心して利用レベルにあると思う。何より、料金がドライバーの手配前に確認できるメリットは大きい。
マドリードには、街中の道と言う道を知り尽くした素晴らしいタクシー運転手も多いが、意図的なのか、知識不足なのか、遠回りをしているのでは?と不安になる運転手もたまにいることを考えれば、どのような道を通ろうが、料金が事前に分かっているのは、土地勘のない利用者にとってはひとつの安心材料ともいえる。
Cabifyは、スペイン出身のスタンフォード大学通信業エンジニアのフアン・デ・アントニオが、2011年5月にマドリードとバルセロナで開始したシェアリング・エコノミーのサービスだ。しかし、実はマドリードのCabifyのドライバーすらも「南米発のサービスだ」と信じている人も多いようだ。というのも、発祥はスペインだが、サービス開始1年後には中南米に進出し、そちらで一気に火が付いたという経緯があるようだ。現在では メキシコ、チリ、コロンビア、ペルー、ブラジル、パナマ、エクアドル、アルゼンチン、ドミニカ共和国、ウルグアイなど、中南米からの収益は全体の8割を占めるため、「南米のUber」とも呼ばれているそうだ。
ちなみにスペインでサービスが行われているのは、マドリード、バルセロナ、マラガ、セビージャ、バレンシア、ア・コルーニャ、ビルバオとなっているが、先日セビージャのサンタ・フスタ駅近くから利用しようとしたが、ドライバー呼び出し中のままで探し出せず仕舞いで、結局流しのタクシーを利用した。自由にどの時間でも問題なく使えるほど普及しているのは、まだマドリードやバルセロナなどに限られているかもしれない。
Cabifyの使い方と料金
Cabifyを利用するには、iPhoneもしくはandroidのモバイルアプリケーション、もしくはウェブページでユーザー登録し、クレジットカードなどの情報を入力する。モバイルアプリケーションなどは日本語化されているので、スペイン語や英語に自信がなくても利用できるのもありがたい。
ちなみにこの記事の最後にあるリンクから登録すると、紹介クーポンで私と新規登録した人の両方に10€分の無料クーポンが付与されるので、よければぜひ利用してもらいたい。
細かな料金や利用できる車のカテゴリーは都市によって異なるが、マドリードで利用できる車両は以下の通り。
車両カテゴリー
Lite: トヨタなど
Baby:チャイルドシートあり
Electric 3p:スーツケース2個+最大3名まで。チャイルドシートなし
Exective:メルセデスSクラスやアウディ8
Group:6名まで乗車可能
車両のカテゴリーを選んだら、出発地と目的地を地図上から選んで、料金を確認した後に「(車両の種類を)呼ぶ」をクリックしたら、ドライバーの探索がはじまる。
ドライバーが確定したら、ドライバーの名前、車種と車の色とナンバー、車の位置が地図上に出るので、それを確認しながら待つだけでよい。店内などにいる場合は、ドライバーの位置を確認しながら出発ポイントに移動するのも良いが、車が先に到着した場合は、待機時間は1分ごとに有料なので、注意したほうが良さそうだ。
車に乗ってしまえば、ドライバーは事前に目的地を確認しているし、支払いも事前に登録しているクレジットカードから引きとされるため、何も告げなくても良いのもタクシーと異なる点だ。スペイン語に自信がない人にもお勧めだ。
また、自分は乗らないが料金は自分が払って相手を送りたい、というケースなどにも便利だ。これまでのタクシーように多めにお金を渡すなどせずとも、Cabifyで車を手配するだけで済ませることができるので、お金のやりとりが不要でスマートに手配ができる。
Cabifyのメリットとデメリット
最大のメリットはやはりタクシーよりは料金が安いことだ。Cabifyの市内中心エリアでの最低料金がLiteの場合で5.5€なので、だいたいこれを超えるくらいの料金であればCabifyの方が2割程度安いイメージだ。マドリードのバラハス空港からのタクシー移動は30€の均一料金になっているが、Cabifyにはこの規定が適用されないため、市内の北東サイドに移動する場合などは、Cabifyの方がずっと安くなる場合がある。アプリケーションで事前に乗車位置と降車位置を指定して、料金を確かめてみることをお勧めする。
ちなみに、マドリードの空港の乗車場は、タクシー乗り場とは異なり、駐車場ビル内にあるので、空港からCabifyに乗る場合は、そこまで移動するので注意しよう。
詳しくは、Cabifyの「マドリードの空港での待ち合わせ地点」をチェックしておこう。
また前述のように、アプリでルートを指定した段階で料金が決定する安心感は大きい。道の込み具合やドライバーが選ぶルートなどに左右されないのは、特にスペイン語や土地勘に自信のない旅行者にはうってつけのシステムといえる。また、Wifiなどでインターネットさえつながるなら、車を呼ぶことができるので、タクシーのつかまりやすい大通りを探したり、電話などでタクシーを呼ばなくても指定の場所まで来てくれる、というのも、外国人旅行者としてはありがたい。
また、アプリに登録したクレジットカードで自動的に決済されるので、現金のやりとりが不要なことや、クレジットカードの決済端末の電波が悪いなどのトラブルも起こらないし、法人登録していれば領収書も後からメールで送られてくるので、領収書を出してもらう手間ひまや紛失してしまう心配もない。ズボラな私は、よくタクシーの領収書を失くしてしまったり、財布にいれっぱなしで感熱紙の印字が見えなくなってしまったりしがちなので、個人的にはこれは嬉しい。
また、乗客は社内においてあるミネラルウォーターのボトルを自由に飲めるのもちょっと嬉しいサービスかもしれない。最近は、車内のフリーwifiサービスまで始まっていた。
逆にデメリットは、呼んでからドライバーが来るまで少し時間を要することだろう。時間帯やエリアにもよるかもしれないが、マドリードの中心地であっても5分から10分は待つ場合もある。
さほど時間にシビアな場面でなく、かつ自宅やレストランなどで、ドライバーが来るのを待てる場合や、そもそもタクシーがあまり通らないエリアから乗りたい場合は便利だが、そうでなければ大通りに出て流しのタクシーを捕まえる方が、ずっと早く目的地に到着できるかもしれない。Cabifyは予約も可能だが、その場合は予約料15€(マドリード市内中心エリア、Lite車両の場合)がかかるので、Cabifyの低料金のメリットは失われてしまう場合も多々ありそうだ。
(追記:2018年8月現在、Cabifyの車が増えているのか、呼んでから到着までの時間は2-3分であることが多くなっている気がする)
また、何度か使ってみた経験からいえば、運転手のクオリティーは当たりはずれはある。運転手が道をよく知らずに遠回りをしてしまったり、指定の乗車場所を通り過ぎてぐるぐる回ってなかなか来なかったり、降車場所から数メートルほど離れた場所におろされたことも数度あった。
しかし、これは普通のタクシーにも起こり得ることで、タクシーの場合は遠回りされると料金メーターが気になるが、Cabifyの場合は最初に料金が決まっているので、とりあえず料金が変わる心配をせずに済むのは、不幸中の幸いかもしれない。たいていの運転手はナビを使うし、遠回りしても自分の損にしかならないので、そんなことは頻繁に起こらないはず…とは思うが、うまく運転手と合流できなかった場合など、電話がかかってくる場合もあるので、そこだけは少し心配はある。そのように乗車位置で問題が起こらないように、乗車位置の指定を間違うことのないように、しっかり確認してリクエストをしよう。
このあたりは、利用する場面を考慮して、Cabifyを使うのかタクシーを使うのかを選択するのがよさそうだ。
サービスの詳細については、公式サイトのヘルプへ。
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(キャンペーン時期によってクーポンの金額が変動することがありますので、ご容赦ください。)
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