マドリードの地下鉄内には、実は小さなミュージアムがあるのをご存知だろうか?
カニョス・デル・ペラル博物館は、マドリードの地下鉄2番線、5番線、R線が交わるオペラ駅構内にあるミニ博物館だ。

2008年から行われたオペラ駅の改修工事の際に、駅の地下から約200平方メートルの空間に16-17世紀のカニョス・デル・ペラル給水所、アマニエル水路、アレナル下水道の遺跡が発見され、それらの遺跡が2011年から地下鉄内博物館として一般公開されている。

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16世紀のマドリードは都市インフラなどは整備されておらず、1561年にフェリペ2世により首都に定められて以降の急激な人口増加につれて、生活用水の不足が顕在化しはじめる。そこで、1614から1616年にかけて、現在のウニベルシタッド地区あたりにあったアマニエル草原から王宮まで水を引く約2キロのアマニエル水路が建設された。この水路の途中にあたるカニョス・デル・ペラル給水所は、マドリード市民らが生活用水を汲む水汲み場として19世紀半ば頃まで使われていたようだ。
ちなみに現在でも、オペラ駅の出口のあるイサベル2世広場には、フェリペ2世時代に作られたルネサンス様式の公衆水汲み場のレプリカが置かれているのは、その時代の名残だそうだ。

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現在、オペラ構内の地下の博物館では、アマニエル水道跡の一部とカニョス・デル・ペラル給水所を見ることができる。
博物館はオペラ駅の改札を入ってすぐの場所にあり、遺跡の見学と、遺跡に関する説明ビデオの視聴などができる。
開館は週末のみだが、時間外でもガラス越しに遺跡跡を眺めることができる。
ごく小さな博物館だが、開館時間にオペラ駅を利用することがあれば、ぜひ覗いてみて欲しい。

カニョス・デル・ペラル博物館 開館情報

地下鉄オペラ駅内
開館時間:金・土・日 11:00-13:00, 17:00-19:00
入場無料




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