マドリードのコロン広場のセラーノ通り側に面して、スペイン考古学博物館がある。
スペイン考古学国立博物館は、様々な機関に散在していた考古学や民族誌学そして装飾・貨幣芸術の遺品を展示するために19世紀後半に誕生した。常設展示では先史時代から19世紀に至るまで、スペインの歴史を隈なく網羅しており、2014年にリニューアルして以降、さらに魅力的なミュージアムに生まれ変わった。
考古学、歴史、美術好きならば、マドリードでぜひ訪れてほしい必見スポットの一つだ。オーディオガイドつきでじっくりみようと思うと一日中いても飽きそうにないが、ざっと見て回るだけでも1-2時間は欲しいほど充実したコレクションを誇っている。
ちなみに、博物館の向かいにはカンペールやロエベのショップがあるし、コロン広場を挟んだゴヤ通り側には人気のメルカード系Platea Madridや人気のスイーツ店Mamá Framboiseもあり、博物館見学の後に立ち寄るのもお勧めだ。
力強く美しい古代のイベリア美術
まず、通りから美術館の門をくぐるとすぐ左手側にアルタミラ洞窟のレプリカ展示へ降りる階段がある。北スペインサンタンデール近郊で発見された約14,000年前の洞窟画の一部のレプリカで、無料開放されている。ライトアップされた壁画は臨場がある。入場すると、自動オーディオ(スペイン語)と洞窟画制作過程をビデオで説明してくれる。
博物館に入ると、地上階は先史時代の遺跡、一階(日本で言う二階だが、以降はスペインの階数表記に従う)の北側が原始時代のスペイン遺跡を展示してある。この原始時代エリアには、この美術館の最大の見どころのひとつ「エルチェの貴婦人」像が展示されている。アリカンテのエルチェで発見されたオリジナルで、紀元前4世紀のイベリア人の時代に作られたと見られている。女神なのか、古代の女祭司なのか、それとも名門の家の婦人なのか、この女性の正体は分かっていないが、端正な美しさをたたえた貴婦人像は不思議な魅力がある。
この時期のイベリア美術は、大らかで愛らしく、どこか力を秘めている。
このエリアの石像の数々の鑑賞は、この美術館で一番のみどころのひとつだ。ぜひ自分の目で見て、肌でその存在感を感じてみてほしい。
ローマ支配下のスペイン
一階の南側はローマ支配時代のスペインの遺跡が展示されている。
ポエニ戦争のあと共和政ローマの支配下に置かれていたイベリア半島は、ヒスパニア・バエティカ、ルシタニア、ヒスパニア・タラコネンシスの三つの属州へと再編された。この時代の大理石の像や石棺、モザイクなどが多く展示されている。
中世の敬虔なキリスト教の世界
2階は中世から近世にかけての展示がおこなわれている。
中世キリスト教の展示品は、敬虔な中にもどこか、のどかでユーモラスな表情をみせてくれる。
スペイン国立考古学博物館情報
住所:c/ Serrano 13 28001 Madrid
最寄り駅:Metro Serrano, Colon
web:http://www.man.es/man/home
開館時間:火-土:9:30 – 20:00、日・祝:9:30 – 15:00
閉館日:月曜、1月1日、6日、5月1日、12月24日、25日、31日
入場料:3ユーロ(土曜14時以降、 日曜は無料)
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