たまたまインターネットで見かけたスペインの民族衣装があまりに見事で、興味を惹かれて調べてみたので、今回はぜひこの民族衣装について、紹介してみようと思う。

刺繍で有名なスペインの村ラガルテーラ

調べてみるとその民族衣装は、ラガルテーラという村で、カスティーリャ・イ・ラマンチャ州トレド県の西側、ほとんど隣のエストレマドゥーラ州との州境近くにある。
人口1350人ほどの小さな村だが、その近くには、オロペサのパラドールもある。

調べてみると、ラガルテーラは伝統的に刺繍やレース編みで知られているらしく、16世紀頃には農民の妻たちの作業用アトリエが存在したらしく、テーブルクロスなどの日常品のリネン類に羊毛を染色した糸を使った見事な刺繍で装飾されていた。
また、婦人服のリボンなどの刺繍などには絹も使われていた例が残っているそう。

スペイン印象派画家ソローリャが描いたラガルテーラの伝統衣装

ラガルテーラの民族衣装といえば、ソローリャもラガルテーラの民族衣装を2枚描いている。
そのうちの一枚はマドリードのソローリャ美術館に、もう一枚は、ニューヨーク美術館に収蔵されている。

[参考記事] 光の画家ソローリャのアトリエへ、ソローリャ美術館

結婚衣装やお祭り用の衣装など、特に女性の衣装は金糸のレースやカラフルで刺繍、リボンなどを使っていて、とても華やかだ。

ラガルテーラの伝統衣装とCorpus Christi(聖体の祝日)

これらのラガルテーラの伝統衣装は、今でもコルプス・クリスティ(Corpus Christi 聖体の祝日)などで見ることができる。

Corpus Christi(聖体の祝日)とは、イエス・キリスト復活の日、つまり復活祭の日曜日から60日目の木曜日に祝われるカトリックの祝日で、だいたい5月末から6月にあたることが多く、スペインでは特にトレドの祭りが知られている。

ラガルテーラのコルプス・クリスティは、2007年3月8日に地方観光文化財に指定されており、村人たちは華やかな民族衣装を身につけ、プロセシオンなどが行われる。

残念ながら、2020年は新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の影響を受けて中止され、2021年のコルプス・クリスティは6月3日だが、トレドの祭りはすでに中止が決定しているため、恐らくラガルテーラも中止される見込み。

残念だが、2022年6月26日に祭りが復活したら、ぜひ訪問してみたい。