今回は、マドリードの数あるタブラオ・フラメンコの中から、人気の高いタブラオを取り上げて、それぞれの特徴を比較しつつ紹介する。

スペインに来たら体験してみたいことのひとつに、「タブラオでフラメンコを観る」がある。
グラナダの洞窟タブラオなどではヒターノたちのより源泉に近いフラメンコが見られるのに対して、マドリードのタブラオ・フラメンコには、スペインでのトップクラスの一流の踊り手やミュージシャンが集まっており、技術的にもより洗練されたフラメンコを楽しむことができるのが特徴だ。
気迫のこもった生の舞台は、とにかく迫力があって美しい。それぞれに魅力があるが、ぜひマドリードのフラメンコも体感して欲しいと思う。
よく「マドリードではフラメンコはどこでみるのがいい?」とよく質問されるので、これを機にこれまで行ったマドリードのフラメンコのタブラオの中から、お勧めタブラオをピックアップして、それぞれのポイントをまとめて紹介したいと思う。

タイミングや予算、好みに合わせて、お気に入りのタブラオを選んで、ぜひマドリードのフラメンコを楽しんで欲しい。

実力知名度トップ!コラール・デ・ラ・モレリア

ニューヨーク・タイムズ誌ナンバー1ベストセラー本、「死ぬまでに観たい1000の場所」にも取り上げられている実力、知名度ともにナンバーワンのマドリードのタブラオといえば、やはりコラール・デ・ラ・モレリアだろう。
実力派の厳選のアーティストたちがハイクオリティーなショーを見せてくれる。

問題があるとすれば、価格が高めなこと、立地があまり良くないのでタクシー利用が必要なこと、あとはとにかく人気が高いので売り切れる場合が結構あることあたりだろうか。特に週末の早い時間のショーやドリンク付きは早めに売り切れるので、思い立ったら、とにかくすぐに予約することが重要だ。

マドリードのタブラオ・フラメンコ、コラール・デ・ラ・モレリア

2019年現在、コラール・デ・ラ・モレリアはフラメンコのショーが楽しめるタブラオでありながらも、レストラン部門はミシュラン1つ星の評価を受けている。食も楽しみたい派にとっては、食事付きのショーは非常に良い選択になっている。

価格は、食事付きの場合は、38.90€と食事の費用(別途21%の付加価値税IVA)となっており、一人あたり85€以上、ドリンク付きの場合でも41.30€に21%のIVAが加算されるので、トータル一人で50€程度となる。公式ウェブサイトからも予約と支払いが可能だが、日付によっては、エンターテイメント系のクーポンサイトAtrapalo経由だと少し安くなる場合もあるので、チェックしてみると良いかもしれない。
Atorapalo、夕食付きショー一覧をチェック
Atorapalo、ドリンク付きショー一覧をチェック
※上記サイトはスペイン語のみだが、該当のショーのページから日付を選び、人数を入力したあと「Comprar(購入)」をクリックして、名(Nombre)と苗字(Apellido)、email情報(確認を含めて二度)、電話番号と支払い情報を入力すると予約が完了する。当日はメールで届いた予約確認書をタブラオに持参すればOK. どうしても難しい場合は、タブラオの公式サイトの日本語ページで予約できるのでそちらを利用しよう。

Corral De La Moreria

住所:c/ Morería, 17 – 28005 Madrid
電話: (+34) 913658446 – 913651137
http://www.corraldelamoreria.com/
年中無休
夕食付き(18:30、19:00、19:30、20:30、21:00、21:55) 38.90+夕食(21%税抜き価格)
ドリンク付き(20:30、22:30)

フラメンコ関係者も支持、通好みのカサ・パタス

すぐ近所に有名なフラメンコ・スタジオ、アモール・デ・ディオスがあり、日本からフラメンコのプロの踊り手もレッスンを受けに集まるアントン・マルティン駅エリアにある有名なフラメンコタブラオ、カサ・パタス
ということで、ダンサーの友人たちにもカサ・パタスを推す人は多い。
前述のコラール・デ・ラ・モレリアと並んで「死ぬまでに観たい1000の場所」にも選ばれている実力派タブラオだが、ドリンク付きのショーが36€(Atrapaloでは31€)と比較的手頃なのもありがたい。
特に週末はスペシャルアーティストが登場するのでお勧めだ。

マドリードのタブラオ・フラメンコ、カサ・パタス CASA PATAS

アクセス面では、メトロのアントン・マルティン駅から徒歩2-3分程度と近いので、週末の遅い時間のショーでなければ、行き帰りはメトロを使うことも可能だ。ただし、ここより南側はちょっと治安が心配な地域でもあるので、地理に自信がない人は、帰りはタクシーを使うのが無難かもしれない。

ちなみに、ここはバル・レストランエリアもいい感じに古びたよい雰囲気なので、ショーの前に食事をしたり、軽くタパスをつまみながらワインを楽しむのもお勧めだ。

CASA PATAS

住所:Calle Cañizares 10, Madrid
電話:913 690 496
http://www.casapatas.com
月-木 22:30から
金/土 21:00、24:00から
定休日:日曜日

立地の良さなら、ビリャ・ロサやラス・カルボネラスも

上記二件のタブラオは、少しにぎやかなエリアから外れているので行き帰りがやや不安だという場合は、気軽に入りやすいタブラオとして、ビリャ・ロサ、もしくはラス・カルボネラスをお勧めする。
ビリャ・ロサは、マドリードのバルスポットのひとつサンタ・アナ広場の角にある。夜でも人通りが多いエリアなので、比較的安心だ。また、ここは週末などに不定期ではあるが、午後の早い時間にショーを行う場合もあるので、そのあたりも大きな利点かもしれない。(ちなみに11月はフラメンコ・コンクールが行われ、見学も可能。)
食事付きでも30€程度からとお手頃価格なのもうれしい。

マドリードのフラメンコ・タブラオ、ビリャ・ロサ

ラス・カルボネラスは、サン・ミゲル市場のすぐ近くで行きやすいエリアにあるタブラオだ。
ダンサーは比較的若手が多く、アンダルシアなどと比較すると洗練されたモダン系の傾向のあるマドリードのフラメンコの中でも、特にモダンでクールなフラメンコを見せてくれるとの評価がある。また、個人的にはここはギターや歌い手のレベルも高い印象だ。
価格はドリンク付きショーで36€、食事つきで67.50€からとなっている。

マドリードのフラメンコ・タブラオ、ラス・カルボネラス

Villa Rosa

http://www.tablaoflamencovillarosa.com/
住所:Plaza de Santa Ana 15, Madrid
電話:915 213 689
月-木 22:30から
金/土 21:00、24:00など。時期によって異なるので要確認。
定休日:日曜日

Las Carboneras

http://www.tablaolascarboneras.com/
住所:Plaza de Conde de Miranda 1
電話:915 428 677
月-木 20:30、22:30から
月-木 20:30、23:00から
※食事つきの場合は30-60分前から

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