スペインはどこもそうだが、特にマドリードにはとにかくバルが多い!
初めてマドリードに来た旅行者は、どのバルに行くのがよいのか、迷ってしまうところ。

自分の足で街を歩いて、色んなバルに飛び込んでみるのも楽しみ方のひとつだが、滞在時間が限られていて効率よく回りたい人や、知らないバルに飛び込むのはどうも抵抗がある人のために、今回は「マドリードに来たら、とにかくココだけは!」というベーシックかつ旅行者でも入りやすい定番バルを紹介したいと思う。

マドリードバル巡りの出発点はソルから!

まずは、分かりやすくソル広場の時計塔の前のゼロ地点、キロメートロ・セロから歩き始めよう。
ちなみにこのキロメートロ・セロのプレートは文字通り、スペイン全土の交通網の基点・ゼロ地点となっている。

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バルのオープン時間やキッチンの稼働時間を考えると、時間は18時以降にスタートするが良いだろう。マドリードは夜のほうが賑やかで人通りも多いので、夜だからという心配は基本的には無用だ。ただ、タパスに夢中になるあまり、バッグや携帯電話、カメラなどの手荷物への注意がおろそかにならないようにだけ、十分に注意しよう。
また今回お勧めするバルは、基本的には年中無休なので、何曜日でも問題なく実行可能なルートだ。(クリスマスや年末年始は営業時間などに変更があることがあるので注意。)

人気スポット「サン・ミゲル市場」

さて、このキロメートロ・セロのプレートの前から、時計塔を左手に見てマジョール通り(Calle Mayor)を5分ほど進むと、左手にサン・ミゲル市場(Mercado de San Miguel)が見えてくる。
この市場は単なる市場ではなく、中でタパスや魚介などを食べることができるバルのフードコートのような場所で、マドリードに来たらぜひ訪れるべき場所のひとつなので、ぜひ中をのぞいてみてみよう。

マドリードにきたら欠かせない「マッシュルームの鉄板焼き」のバルへ

さて、このサン・ミゲル市場を覗いてすでに一杯やった人も、さっと下見をして素通りした人も、市場を右手にして坂を下ろう。この坂はカバ・デ・サンミゲル(Cava de San Miguel)といって、マジョール広場(Plaza Mayor)の外側の城壁にあたり、トルティージャ(スパニッシュ・オムレツ)を出すメソン・デ・ラ・トルティージャ(Mesón de la Tortilla)など、それぞれのスペシャリティを出すバルが並ぶ。ここでは、メソン・デル・チャンピニョン(Meson del Champiñion)でマッシュルームの鉄板焼きを食べよう。

マドリードの定番バル マッシュルーム鉄板焼

マドリードの定番バル チャンピニョン

「ウナ・ラシオン・デ・チャンピニョン、イ・ビノ・ブランコ、ポルファボール!(マッシュルーム一皿と白ワイン、ください!)」

アツアツのマッシュルームの傘の部分に溜まったジューシーなスープをこぼさないように注意して食べるのがコツだ。
奥のテーブル席で落ち着いていただくのも良いが、カウンターで一杯やりながらマッシュルームを食べ、ささっと次のバルを目指すのがスペイン風のタペオ(飲み歩き)。

マジョール広場の名物「イカフライのサンド」

メソン・デル・チャンピニョンを出て坂を少しだけ下ると、後ろ側に階段があり、そこを登るとマジョール広場だ。
実はこの広場といえば、イカフライサンド(ボカディージョ・デ・カラマレス)が非常に有名だ。階段をあがって広場中央にフェリペ三世の騎馬像を左手にしながら壁沿いを進んで二つ目の広場出口を出た通りにイカフライサンドのお店が多く並んでいる。テイクアウトでボカディージョ・デ・カラマレスを買い、広場などで食べる人も多い。まだまだ空腹の人や大食に自信のある人は試してみるのもよいかもしれない。

日本でも話題のタパス「海老のアヒージョ」

イカフライにチャレンジした人も、そうでない人も、次のバルを目指す。
階段の地点からちょうど対角線上にある広場出口を出て、土産物屋などを冷やかしながら進むと、再びソル広場に戻ってくる。今度はそのまま時計等の前を通り過ぎよう。しばらく進むとすぐにムセオ・デル・ハモン(Museo del Jamón)が見えてくるので、その角を右に曲がり、ビクトリア通り(Calle de Victoria)に入る。その道を突き当たったところにあるのが次の目当ての海老の専門バル ラ・カサ・デ・アブエロ(La Casa de Abuelo)だ。
バルは道の両側にあるが、個人的には右手側にある立ち飲みエリアをお勧めする。入り口で海老を焼く鉄板があるのが目印だ。

マドリードの定番バル 海老

マドリードの定番バル 海老

海老のアヒージョを薦める人も多いが、ここでぜひ試して欲しいのは、ガンバス・ア・ラ・ガバルディーナ(Gambas a la gabardina)。 ガバルディーナ(トレンチコート)風と名づけられた海老のフライは、適度な塩加減のトレンチコートをまとった身がふっくら、シッポはサクサクで、お酒との相性もバグツン。ビールとも合うが、ベルムー(ベルモット)やこのバルのオリジナルの甘い赤ワイン(ビノ・ドゥルセ)と合わせてみるのもお勧めだ。

ムール貝をガリシアワインと一緒に

さて、海老を堪能したら、次はムール貝のバルを目指す。
先ほど来たビクトリア通り(Calle de Victoria)を一ブロックだけ戻ると、左手にテラス席の並んだ路地パサヘ・マテウ(Pasaje Matheu)が見える。その中のラ・リア(La Ria)がお目当てのムール貝のバルだ。店内の壁にムール貝の殻が吊り下げられているので、すぐに分かるはずだ。

マドリードの定番バル ムール貝

マドリードの定番バル ムール貝

ここは小さなバルだが、毎月12-15トンのムール貝を消費する人気店で、かつては現国王の姉エレナ王女も通っていたというほど。ムール貝(メヒジョネス)にかけるソースがいくつか選べるが、オリジナルのピリ辛ソース(サルサ・ピカンテ)はぜひ試して欲しい。
飲み物はガリシアの白ワインをぜひ。冷えた白ワインを白い陶器の杯カンクで飲むのがガリシア・スタイルで、ムール貝との相性も抜群だ。

もし、まだお腹に余力があるようならば、ここでタコのガリシア風(プルポ・ア・ラ・ガジェガ)などを頼んでみるのもいいし、ラ・リアの隣にあるラス・ブラバス(Las Bravas)でスペインのバルでの定番タパス、パタタス・ブラバス(フライポテトのブラバスソースがけ)を試してみるのも良い。ピリ辛のブラバスソースはお店によりかなりバリエーションがあるが、ここの秘伝のブラバスソースは一度試す価値がある。

以上が、初めてマドリードに来たならば絶対に行くべき「マドリードの定番中の定番バル」で、これらは観光客の多いバルでありながらも、価格も妥当で、初心者でも入りやすいバルばかりだ。ある意味、マドリードのバル入門編とも言える。
一通りこれらのマドリードの定番バルを体験した後は、せっかくなので、ぜひ自分でも色んなバルに入ってみて、自分だけのお気に入りバルを開拓してみて欲しいと思う。マドリードはやっぱりバルが楽しい。

ぜひ、皆さんも楽しいマドリード・バル・ライフを!

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