今年2016年は、ネーデルラント(フランドル)の画家ヒエロニムス・ボスの没後500年にあたる。その記念イヤーに、プラド美術館所蔵の代表作「快楽の園(El jardín de las delicias)」の世界に没入できるバーチャルリアリティアプリが発表された。
プラド美術館でも最も謎めいた作品と言われる「快楽の園」とは
1490年から1510年頃、ボスが40歳から50歳の作品と言われている「快楽の園」は、観音開きになる板に油彩で描かれた三連祭壇画で、閉じた状態では「天地創造の地球」、開いた内側には左翼に「エデンの園」、中央に現世をあらわすといわれる「地上の快楽」、左翼に「地獄」が描かれている。
聖書に基づく寓話を描いているとも言われるが、ふくろうやキリン、馬、そして、ユニコーンやグリフォンのような想像上の動物、巨大な果実や魚、鳥、奇妙な形をした塔、そして様々な快楽に耽ける無数の裸の男女が描かれている。
男に担がれた巨大なムール貝の中から突き出した男女の足、赤い実を手にフクロウを載せて踊る人々、翼をつけて飛ぶ人間、手が樹木、胴体が卵の殻になっている「樹木人間」、戦車の耳、鳥の怪物に丸飲みされてはそのまま排泄される人々。
220 cm × 389 cmのパネルにぎっしりと描かれた異様な世界は、謎と寓意に満ちているとされ、その解釈については、現在でも多くの人々の議論の的となっている。
このボスの代表作は、1568年にアルバ公フェルナンドがオランダからスペインへ持ち帰り、その後、フェリペ2世の手に渡った。以来、エル・エスコリアルに所蔵されていたが、1939年にプラド美術館に移譲され、現在もプラド美術館で鑑賞することができる。
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バーチャルリアリティアプリで楽しむ「快楽の園」
iphone、ipad、androidなどでダウンロード可能なアプリ「Bosch VR」をさっそくダウンロードしてみた。
最初の画面からアプリをスタートさせると、画面中央に小さな点が出てくるので、それを進みたい扉にあわせると、扉が開いて絵の世界へ進むことができる。
魚になって、「快楽の園」の絵の世界を進みながら、左右、上下に360度の風景を楽しもう。「地上の快楽」「地獄」へは課金が必要だが、「エデンの園」は無料で見ることができるようだ。
また、立体視用のヘッドマウントキットがあるようだが、残念ながら海外からは入手ができないようだ。
アプリダウンロード
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