ビノ・デ・ヘレスことシェリー酒が大好きで、マドリードでも本格的なシェリー酒とアンダルシアな雰囲気が味わえるバル「ラ・ベネンシア」はお気に入りのひとつ。
いつかシェリー酒の本場へ行ってみたいと思っていた私にとって、今回のカディス行きを考えたときに真っ先に思いついたのは、このヘレス・デ・ラ・フロンテーラでした。

マドリードからセビリアのサンタフスタ駅へは、高速鉄道AVEで2時間半。そこからカディス行きの列車に乗り換えて一時間ほどでヘレス・デ・ラ・フロンテーラへ到着します。
ちなみに私は、ヘレス行きの列車を待つ一時間余りをちょうどランチタイムにあてて、バルでビールとタパスを楽しみました。これはこれで、悪くなかったです。

そして到着したのがヘレス・デ・ラ・フロンテーラ駅。ここから今回の旅が始まりました。

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ヘレスのタバンコとは?

日曜の午後に宿に到着して、シェリー酒のワイナリーは残念ながら時間外であることは知っていた私は、宿のレセプションの方におすすめのバルを尋ねてみることにしました。
「今夜なんだけど、シェリー酒でおすすめのバルある?ちなみに、どこかフラメンコを楽しめるところがあったらいいんだけど。」
「それなら、タバンコに行ってみるのがいいよ」

初めて聞くタバンコについて「それってタベルナ(居酒屋)のようなもの?」と質問した私に、レセプションのお兄さんが親切に説明してくれたところによれば、ヘレス特有のもので、元々はタバコ店とエスタンコ(ワインなどを販売する店)を合わせたものが由来で、ワインが飲めたり、タパスがつまめたり、フラメンコのライブを楽しめたりする場所のことなのだそう。

日曜日の夜も開いているところとして、宿からもすぐ近いタバンコ「エル・パサヘ」を勧めてもらい、さっそく夜に訪れてみることにしました。
それまでの間、しばしヘレスの街を散策。
マドリードに比べると格段に暖かく、そして静か。
ワイナリーの並ぶエリアに来ると、風に乗ってほのかにシェリーの樽の香りがしてきます。やっぱり来てみて良かったな、としみじみと感じた瞬間でした。

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タバンコ「エル・パサヘ」でシェリーとフラメンコの源流に触れる夜

さて、しばらく散策を楽しんだ後で、21時からフラメンコのライブがあるという「エル・パサヘ」へ。
カウンターの中にはシェリー樽、カウンターの客が頼んだワインとタパスの価格がチョークで書かれている使い込まれたカウンター。壁には古びたポスター。
マドリードの「ラ・ベネンシア」の雰囲気に近いけど、さらに活気がある感じでワクワクしてしまいます。

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辛口でおすすめを聞くと、「パロ」ということで、モハマ(マグロのジャーキー)のタパスを注文してカウンターで飲み始めました。そうこうしていると、店の奥からギターの手慣らしの音が聞こえてきました。
店の奥の小さなステージでフラメンコギターとカンテのライブが始まると、カウンターの隣に立つ男性が連れに話す声がそれとなく聞こえてきます。「フラメンコというのは本来は踊りじゃなく、音楽が起源なんだ」

ヘレス・デ・ラ・フロンテーラは、フラメンコの発祥の地といわれるついくつかの街のひとつ。
英国人がシェリー酒と呼んだビノ・デ・ヘレス(ヘレスのワイン)を楽しむタバンコでは、入場料もライブチャージもなく、フラメンコに触れることができる。
フラメンコが観光客向けではなく、この小さな街でより身近に存在するものとして人々の生活の中で息づいているのを感じた瞬間でした。

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TABANCO EL PASAJE店舗情報
住所: Calle Sta. María, 8, 11402 Jerez de la Frontera, Cádiz
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