マドリードでは、市内交通の新たな試みとして、2020年2月18日から排気ゼロ、料金ゼロの電動バスの無料サービスを開始。さっそく利用してみたら、環境にもお財布にも優しいだけでなく、あまりにも便利すぎたので、ぜひ紹介してみたいと思う。
環境配慮から生まれた排気量ゼロのバス
数年前からマドリードの市内の大気汚染は大きな課題になっていたが、2018年11月からは市内中心部に乗り入れる車両には、居住者などの例外を除き、原則的には電動カーなどのゼロ・エミッションカー以外の車両の乗り入れを禁止するなど、環境への配慮と規制に取り組んできた。
このような背景もあり、電動レンタル自転車や電動スクーター、電動シェアカー&スクーターのサービスなど、市内中心のパーソナルモビリティ事情もここ数年でいろいろな進歩が急激に進んでいるが、今年の2月からさらに大きな試みとして、市内に排気量ゼロの電動バスの無料サービスを開始し、市民の注目を集めている。
アトーチャ駅とモンクロアをつなぐ001バス
今回運行を開始した001番バスは、バルセロナやアンダルシアなどから高速鉄道AVEが到着するマドリードの玄関口アトーチャ駅からモンクロア駅までを17の停留所を往復する。
運行は、朝の7時から夜の23時まで、時間帯にもよるがおよそ7分から20分間隔での運行となっている。
料金は無料だが、恐らく乗車数などのデータをとるためか、マドリードのメトロ・バスのカードをもっていれば乗車時に運転席横に設置された読み取り機にかざすか、カードも持っていなければ運転手に「un Billete, por favor(ウン・ビジェテ、ポルファボール)」といえば乗車チケットを渡してくれるが、どちらの場合も料金は請求されない。
車内は広く、車椅子・ベビーカーのスペースが2か所とられており、停留所の情報などがディスプレイで表示される。通常のバスと同様、社内の停車ボタンを押すと次のバス停で停車する。
また、社内のあちこちにUSBの充電スポットがあるのも便利。
001バス停一覧
- Moncloa – 2800
- Altamirano – 737
- Argüelles – 735
- Princesa-Rey Francisco – 193
- Ventura Rodríguez – 173
- Gran Vía-Plaza de España – 171
- Santo Domingo – 169
- Gran Vía-Callao – 723
- Gran Vía-Montera – 724
- Gran Vía-Pedro Zerolo – 5138
- Círculo de Bellas Artes – 164
- Círculo de Bellas Artes – 90
- Banco de España – 76
- Neptuno – 77
- Museo del Prado-Jardín Botánico – 79
- Prado-Atocha – 81
- Atocha Renfe – 5710
観光にも大活躍の001ルート
マドリード市民の足としては勿論のこと、マドリードの主要鉄道駅であるアトーチャ駅、レイナ・ソフィア美術館、プラド美術館、ティッセンボルネミッサ美術館、シベーレス広場、グランビア通り、スペイン広場、そしてバスターミナルがあるモンクロア駅をつなぐこの無料バスは、観光客にとっても非常に使い勝手のよい交通手段となっており、ぜひ活用してマドリードの町を楽しんでみてほしい。
メトロと異なり、バスは階段やエスカレータでの乗り降りがないため、スーツケースなどの荷物がある場合や車椅子、ベビーカーなどの移動も手軽で、慣れてしまえば非常に使い勝手が良い面も多い。
例えば、グランビアやプリンセッサ通り(Calle de princesa)周辺でホテルを取れば、アトーチャ駅、空港へのシャトルバス乗り場であるシベーレス広場、プラド美術館、レイナソフィア美術館、ティッセン・ボルネミッサ美術館、スペイン広場、モンクロアのバスターミナルなどへのアクセスに、この001バスを使って気軽に移動することができる。
ただし、時間帯によっては非常に込み合ってくる可能性はあるので、手荷物には十分に注意をしよう。スリや置き引きに対する心構えについては、ぜひこちらの「マドリードの治安は大丈夫?2最新情報と現地在住日本人から旅行者へのアドバイス」を確認しよう。
追記:市内バス全般のルールとして、機内持ち込みサイズのスーツケースは問題ないが、大きなサイズのスーツケースは乗車を断られる場合があるので注意が必要。リュックサックやバックパックは持ち込みは問題ないが、背中に背負わず手に持つこととされている。
グランビア通りやプリンセサ通りのホテルを探す
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3月3日からは新ルート002も開始
001に加えて、3月3日からは新ルート002も開始し、こちらはアルグエージェス駅とプエルタ・デ・トレド駅をつなぐ、現在M1やM2のミニバスルートが統合される形で引き継がれるようだ。
こちらも個性的なショップが多い若者に人気のコンデ・ドゥケやマラサニャ地区、グランビアと、ソル界隈、ラストロやセバーダ市場のあるラ・ラティーナなどの下町エリアをつなぐルートなので、観光やバル巡りを楽しみたい人にとっても、活用しがいのあるルートになりそうだ。
参考記事:「マドリードの庶民の台所セバーダ市場で、新鮮なシーフードを思いっきり楽しもう!」
20mitutosより引用
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