5月15日は、マドリードの守護聖人サン・イシドロの日で、子供から大人まで、民族衣装に身を包んだマドリッドっ子たちが、チョティスを踊って守護聖人の日を祝う。
ゴヤも描いた伝統の「サン・イシドロ祭り」の起源や習慣、2016年のプログラムについて紹介する。

1200px-La_pradera_de_San_Isidro_de_Goya

マドリードの守護聖人サン・イシドロとは?

農夫イシドロは、レコンキスタの時代であった1082年に、アル・アンダルスが支配していタリファ・デ・トレド、現在のマドリードの貧しい農家に生まれた。1085年には、カスティーリャ国王アルフォンソ6世がタホ河までの奪還し、キリスト教徒の支配地となったマドリードで育ったイシドロは、信心深く働き者の農夫になった。懸命に畑で働く合間にも、教会で神に祈りをささげる彼の耕す畑は豊かな恵みをもたらしたといわれており、水の湧き出る場所を言い当てたり、小鳥に袋にいれた小麦を分け与えると、減っているはずの小麦が増えていた、などの多くの奇跡を起こしたとされ、農業の守護聖人となった。
サン・イシドロの生家があった場所は、ラ・ラティーナのサン・アンドレス教会の隣で、現在「サン・イシドロ博物館」となっている。

casadesanisidro

Museo de San Isidro

住所:Plaza de San Andres, 2
http://www.madrid.es/museosanisidro
開館時間:火-日・祝 9:30 – 20:00
※8月は、火-金9:30 – 20:00、土・日・祝 9:30 – 20:00
休館日:月曜日、1月1日、6日、5月1日、12月24日、25日、31日
入場無料

ロスキージャとリモナーダ

セマナサンタのトリハスや、三賢王の日のロスコン・デ・レジェスのように、祭りの時期には定番の菓子を食べる習慣があることが多いが、サン・イシドロ祭でも同じように定番の菓子がある。それが、ロスキージャスである。
ロスキージャス(Rosquillas)は、ドーナツ菓子のひとつで、ロスキージャスには、玉子の入った「トンタス(Tontas:お馬鹿さん)」、玉子入りで粉砂糖がまぶしてある「リスタス(Listas:お利口さん)」、白いメレンゲがのった「サンタ・クララ(Santa Clara)」、アーモンドを使用した「フランセサス(Francesas:フランス風)」などの種類があり、マドリードの菓子店やパン屋などで販売される。
このロスキージャは、ぜひリモナーダと一緒に楽しもう。リモナーダとは、ワイン、レモン、砂糖、フルーツを入れたマドリード風のレモネードで、お祭りの祭に振舞われる。
ROSQUILLAS DEL SANTO




サン・イシドロ祭2016のプログラム

2016年は、5月12日から16日の間にサン・イシドロ祭の公式プログラムが設定されている。さっそく主なプログラムを紹介しよう。

まずは、主な会場となるのは、ゴヤも描いたマドリード市の南にあるプデーラ・デ・サン・イシドロ(pradera de San Isidro)だ。、アトレティコ・デ・マドリードのホームスタジアム「ビセンテ・カルデロン」からマンサナーレス川をはさんで南側に広がる小高い丘、サン・イシドロ公園には、サン・イシドロ礼拝堂(Ermita de San Isidro)の湧き水を飲む習慣があり、サン・イシドロの日には多くの市民がこの公園に集まる。5月12日から16日の期間中は屋台などが立ち、伝統の舞踊チョティスを踊ったり、ロスキージャとリモナーダを楽しみながら、ピクニックを楽しむのが一般的だ。また、週末を中心にライブなども行われ、一番の盛り上がりを見せるメイン会場となる。
最寄り駅メトロ5番線Marqués de Vadilloから、15 de mayo通りを進むと礼拝堂へ到着できる。
sanisidro

また、市内中心のマジョール広場でも、コンサートや伝統舞踊などを楽しむことができる。

  • 13日22:00- SANTIAGO AUSERÓNとBanda Sinfónica Municipal de Madrid
  • 14日20:00- ポップ音楽ライブ (AURYN, FANGORIA, NICK JONAS, JASMINE THOMSON, ÁLVARO SOLER, EFECTO PASILLO, MORAT, ABRAHAN MATEO, ARONCHUPA, FURIOUS MONKEY HOUSE, DASOUL, CALUM, XRIZ, MARLO, NELOU, ALX VELIZ, ANA MENA, ALAN WALKER, JADEL)
  • 15日21:00- Nacho Vegas
  • 16日12:00- マドリード舞踊フェスティバル

また、レティーロ公園の池前での花火(14日、15日22:30)、レイナ・ソフィア美術前では、スイングやラテン、タンゴなどのダンスも見逃せない。
sanisidro-f2181-fuegoselretiroweb

マドリードの夕日の美しいスポットのひとつ、デボー神殿では、日暮れ時にクラッシック音楽も楽しめる。(14-16日20:00-21:30)

個人的に毎年楽しみにしているのは、Plaza de las Comendadorasで開かれる陶器市だ。14日から16日までの朝10時から21時まで、グラナダやセビリア、トレドなどスペイン各地の陶器製作者が集まって青空陶器市を行う。
目にも華やかなスペインの陶器は、見ているだけでも楽しく、お勧めだ。
ceramica

その他、すべてのプログラムは、公式サイトをチェックしよう。
PDF版公式プログラム

サン・イシドロの闘牛

また、サン・イシドロ祭のシーズンは、マドリードでは闘牛もみどのころのひとつだ。5月8日から6月5日までのほぼ一ヶ月間、スペイン中の有名闘牛士がマドリードのラス・ベンタス闘牛場に集まり、毎日闘牛が行われる。
連日人気の闘牛士が登場するので、日によってはすでに売り切れの日もあるが、闘牛を見てみたい人はぜひチェックしよう。

Presentación de la Feria de San Isidro 2014
ラス・ベンタス公式サイト