ここ数年、マドリードで食べられる日本食のバリエーションも非常に豊かになってきたが、さらにもう一店舗、オペラの王立劇場の近くに大阪風の串カツレストランAGEYOKAがオープンした。
お勧めのメニューとスペインでの日本食事情について紹介してみようと思う。

串カツ盛り合わせとロースカツ

やはりなんといっても試すべきなのは、串カツだろう。単品は2本ずつ、盛り合わせは6本、10本、16本など、人数や食べる量によって選ぶことができる。串揚げの素材は、定番のロースやヘレなどの豚肉、サーモン、エビなどの魚介系、玉ねぎやアボカド、レンコンなどの野菜系などがある。

パン粉の下地には、米粉を使っているとのとで、カラっと揚がっていて、冷めてもサクサクが続くのが特徴。

串カツ16本盛り合わせ

串カツは2本から注文できる。メニューに載っている以外にも種類が日があるので質問してみよう

ガツンと食べたいという人向けには、ロースカツやヘレも人気。

刺身盛り合わせと日本酒もおすすめ

また最近はじめたカツサンドもパンにもこだわっていて、スペインでは珍しいふわっと柔らかい食パンを使っている。持ち帰りもできるので、ちょっとした差し入れや軽食としてもお勧めしたい。

注目のデザート

AGEYOKAの店長の法子さんは、もともとケーキなど洋菓子のパティシエで、希望者を集めてレクチャーを行うなど一部の間では知られている方だった。そのため、串カツレストランとはいえ、デザートを見逃す手はない。

人気の抹茶シフォンは、こちらも米粉を使っており、抹茶のしっかりした香りとふわりと優しい食感が楽しめる。

滑らかな抹茶プリンや三層になったコーヒーゼリーも、スペインではなかなかお目にかかれない味とクオリティ。揚げ物の後にさっぱり口直しをした人にお勧めだ。




焼酎のボトルキープ可能

日本酒も何種類かのボトルがそろっているが、個人的に嬉しいのは焼酎だ。一本25ユーロから35ユーロ程度だのボトルが何種類か選べ、グラスでの注文は受けないものの、すべてを飲みきれない場合には、ボトルキープができるということだ。
※2018年9月11日からは、焼酎のグラス注文も可能になるとのこと。

私が知る限り(それ以外にもスペイン人にも何人かに聞いてみたが)、スペインではボトルキープというシステムが存在しないと思うのだが、そもそも食中酒のワインは一度ボトルをあければ日持ちしないし、ウィスキーやブランデーなどの蒸留酒は食後酒だからだろう。しかし、日本の焼酎は基本的に食中酒で、ちょっと一杯飲みながら串をつまみたい、という人には、ボトルキープはかなりお得なシステムだろう。

九州人出身者の一人としては、鯛を贅沢に使ったさつま揚げにショウガ醤油を添えて、一緒に楽しむのもおすすめだ。


AGEYOKAでは、定期的に焼酎のワークショップなどを予定しており、8月2日には焼酎のさまざまな飲み方のワークショップとグラスでの注文が行えるスペシャルイベントSHOCHU NIGHTを予定している。
この日は特に焼酎の種類が多く、芋焼酎や麦焼酎以外にも、珍しい胡麻焼酎なども用意されているので、興味のある人はぜひ問い合わせてみよう。




スペインでの串カツへの注目度は?

ちょうど、今月になってEl Paisのグルメブログ EL COMIDISTAが、偶然にも大阪の串揚げについて取り上げた。(KUSHIAGE: LAS ÚLTIMAS DELICIAS REBOZADAS DE JAPÓN)が、まだまだ寿司やラーメンほどはスペインでは知られていない。

ただブロチェタと呼ばれる串(基本は焼くものが多いが、揚げたものもなくはない)はスペイン料理にもあり、「串揚げ」「串カツ」という名前はついていないものの、違和感なく受け入れられそうだ。

また、近年、スペインでも日本風の「パン粉」は一部では注目が集まっており、アジア食材店以外のスーパーマーケットでも、そのまま「PANKO」という名前で時々みかけるようになった。というのも、スペインのパン粉は粒子が細かいので、日本風のパン粉を揚げたときの食感がうけているようだ。

ソースについても、ウスターソースやトンカツソースのような甘めのソースも好きなスペイン人も多い。

すでに寿司やラーメンはスペインでの知名度が高く、店舗も増えているが、それ以外の新しい日本食を探している人も多いので、これからのスペインでの動向も要注目だ。

AGEYOKA, Frito de OSAKA

住所:Calle Vergara 10
電話番号:913 85 78 68
ウェブ:http://ageyoka.es
Facebook:https://www.facebook.com/ageyoka/