このサイトでも、スペインでマグロ漁の盛んなカディスのバルバテの定置網アルマドラバ漁やマグロ尽くしのレストランとして知られる「El Campero」を紹介してきたが、「TodoMadridマドリード情報」というサイトなので、やはりマドリードでこれらの味を楽しめるスポットも紹介したいところだ。
ということで、今回はここ数年マドリードでも「グルメストリート」として人気のバルやレストランが並ぶポンサノ通りにあるDeAtun(デアトゥン)を紹介しよう。
スペイン風マグロ料理のアレンジを楽しもう
カディスのマグロ取材でも多くのスペイン人から「このあたりのマグロも日本に行っちゃうんでしょ?」とからかわれるほど、マグロ=日本料理のイメージがスペインでも定着している。マグロの美味しい食べ方についても、日本人が最もよく知っている、というのも、おそらく数年前までならば真実だったと思う。
しかし、世界でこれだけ日本料理、特に寿司が知られるようになり、刺身やタタキなど生でマグロを食べることに抵抗がなくなってきたからには、世界の腕に自信がある料理人たちが、自分たちの食文化と日本のマグロ料理での食べ方を融合させ、これまでの伝統的な日本のマグロの食べた方にこだわらない自由な発想から、新しいマグロの楽しみ方がどんどん広がっている。そいういことを改めて感じさせてくれるお店の一つが、このマドリードのDeAtunだ。
刺身やタタキなど、日本の伝統的なマグロの食べ方を元にしつつも、岩塩やカレー風味のソースを添えてみたり(これが、意外と合うのでぜひ試してみて欲しい)、ごま油とあわせたカルパッチョ仕立てや、スペインのタパス風のアレンジなど、香りや食感など自由な発想から生まれたスペイン風の新しいマグロ料理は日本人にも試す価値が十分にありそうだ。
個人的にぜひ試してもらいたいのは、Tomatun(トマトゥン)というTomato(トマト)とAtun(マグロ)を組み合わせたタパスで、トマトや砕いたパンや乾燥ワカメを薄切りのマグロの赤身のカルパッチョでくるっと巻いた一皿で、トマトの風味とカリカリとした食感を楽しませてくれ、マグロ好きの日本人にもなかなか思いつかない組み合わせで楽しまてくれる。
カウンターでのタパスであれば、一つ3€から注文できるのもうれしい。
バルバテ出身のマグロ料理のスペシャリスト ダミアン・リオス
DeAtunのシェフを務めるダミアン・リオスは、カディスのマグロ漁の本場バルバテのサハラ・デ・ロス・アトゥネス生まれの料理人で、1990年から地元のいくつかのレストランで料理長を勤め、2015年からは現在の店舗のエグゼクティブシェフとしてマドリードへ招聘された。伝統的なマグロ料理は勿論のこと、その斬新なコンセプトで、Ruta de Atunのタパスコンクールではマグロのタパスでいくつかの賞も受賞している腕前の持ち主だ。
カウンターは予約ができないが、ガラス越しのオープンキッチンになっているので、調理場の仕事ぶりを見ながら料理を楽しむことができる。
カウンターでタパス、テーブル席はコースも
DeAtunはカウンターエリアは広めだが、このエリアは前述のように予約はできない。ポーションはかなり小さめだが、2-6€程度と比較的手頃な価格のカウンター専用のタパスメニューが楽しめるので、2-3人以下で何品か手軽につまむのであればカウンターがお勧めだ。ただし週末や遅い時間は込み合うので、夜の営業時間がはじまったばかりの時間帯あたりがお勧め。
じっくりとテーブル席で食事を楽しみたい場合は、あらかじめ予約をお勧めする。マグロをメインに食べたい場合は45€のコースも用意されている。
住所:Ponzano 59, Madrid
TEL: 91 033 88 63
http://deatun.com/
最寄り駅:Rios Rosas駅, Alonzo Cano駅
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